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聖徳記念絵画館とは

聖徳記念絵画館は、明治天皇・昭憲皇太后の御聖徳を永く後世に伝えるために造営された、神宮外苑のシンボルともいえる存在です。

青山通りの外苑入り口から銀杏並木越しに見る景観は、東京を代表する風景のひとつとして広く親しまれております。現在では、東京都の景観条例により、その周辺を含めた風格ある景観として守られることとなりました。

館内には、明治天皇・昭憲皇太后の御在世中の御事蹟を伝える大壁画(縦3m横2.5~2.7m)が、画題の年代順に展示されており、当時の出来事を時代を追って見ることができます。

知識を世界に求め、旧弊を退け、近代化への大きな飛躍を成し遂げた明治の時代。

その只中に居るような錯覚さえ懐くことのできるところです。

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壁画について

壁画の揮毫者は大正14年には内定していましたが、全80面が揃ったのは10年後の昭和11年でした。また、依頼を受けながら完成をみずに逝去した画家も7名に上りました。画家たちは、二世五姓田芳柳制作の「画題考証図」、明治神宮奉賛会作成の「壁画画題資料」、さらには現地取材などに基づき、詳細な下図制作を進めました。その画稿は、下図持寄会に提出され検討を重ねられましたが、その際に構図や人物の描き方などに大幅な改変が行われる場合もありました。

平成17年、画家たちが下図を制作するに当たり参考にした現地取材資料のガラス乾板が発見され、さらに、展示の壁画に近い大きさの下図2枚、壁画に描く人々の素描数十枚なども発見されました。

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絵画館の構造

地階と主階の二階構造です。

主階は、地上二階の展示フロアを指し、中央に大理石張りの大広間があり東西をこの広間で区分し、東側に日本画、西側に洋画を展示しております。中央大広間天井ドームは、最高部で床上27.5m、鉄筋コンクリート内側に金網張りモルタルを施し、ブラスター塗り及び石膏レリーフを取付けドーム部分を淡青色に、その下のレリーフ部分を淡黄褐色に着色しております。

画室は、採光のためガラス天井を設け、欅材以外の部分は、ブラスター塗りとし、日本画室は淡黄褐色、西洋画室は、淡青色で中央ドームの色彩と同じ着色です。主階へは、正面大階段を上り表広間から中央大広間に至り、その先に裏広間があります。

地階は、地上一階のことで、事務所・絵画館学園用として使用しているフロアです。
外装・外階段はすべて岡山県万成花崗石を使用しています。

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聖徳記念絵画館造営から現在

西暦 元号 月・日 できごと
1915 大正 4年 9月6日 明治神宮奉賛会設立
1917 6年 5月25日 奉賛会に画題選定委員会設立。委員、特別顧問を委嘱
1918 7年 1月 洋画家二世五姓田芳柳へ画題に対する考証図制作依頼
6月1日 明治神宮外苑地鎮祭
6月15日 絵画館・葬場殿趾記念建造物設計を一般公募。
9月16日締切、応募図案156通
1919 8年 8月 絵画館設計要領決定
一等当選の小林正紹図案に造営局建築係が修正を加え決定

一等当選の小林正紹図案
10月3日 絵画館基礎工事着手
1921 10年 10月15日 絵画館定礎祭
1923 12年 9月1日 関東大震災、建築資材等に多大の被害あり、工事一時中断
敷地内に建築足場でバラックを建て被災者6,400人を収容
12月7日 壁画調成委員会にて1~40までを日本画、41~80までを洋画に、画面寸法画一主義を採用
1924 13年 5月 工事再開
1926 15年 10月22日 絵画館竣功(明治神宮外苑竣功奉献式)
絵画館竣功
10月23日 絵画館一般公開(日本画1点、洋画4点)
1927 昭和 2年 10月1日 絵画館一般仮公開、土・日・祝祭日に限り公開
1928 3年 11月16日 御大典東京地方饗饌場(絵画館前庭)
1936 11年 4月21日 絵画館壁画完成記念式(中央大広間)
絵画館壁画完成記念式
1937 12年 4月17日 明治神宮奉賛会解散奉告祭(中央大広間)
4月20日 4月21日絵画館本公開に先立ち天皇皇后両陛下、絵画館に行幸啓
1941 16年 12月8日 大東亜戦争開戦
1944 19年 12月21日 戦争の激化に伴い、絵画館閉館
1945 20年 8月15日 終戦
9月18日 進駐軍により接収 昭和27年3月末解除
1959 34年 4月16日 皇太子殿下御成婚都民祝賀会に両殿下行啓(中央広場)
1968 43年 4月1日 絵画館学園開講(茶道、いけ花、10月20日より書道)
1984 59年 7月18日 壁画修復開始(日本画10点、洋画40点、完成昭和63年)
1989 平成 元年 10月30日 絵画館展示室防災改造工事竣功
1990 2年 10月22日 御大典記念絵画館夜間景観照明工事竣功(ライトアップ)
絵画館夜間景観照明工事竣功
1993 5年 6月12日 皇太子殿下御成婚奉祝都民の集い絵画館前にて挙行、両殿下行啓
2002 14年 8月2日 絵画館中央ドーム内壁面他改修工事竣功、創建当時の色彩に復元
2003 15年 6月2日 絵画館、東京都選定歴史的建造物指定
2005 17年 4月22日 絵画館壁画修復開始(進行中)
7月31日 絵画館階段下倉庫より外苑創建時のガラス乾板2,200枚を発見
壁画大判下図「神宮親謁」
8月12日 絵画館階段下倉庫より壁画大判下図「神宮親謁」他、発見
2006 18年 5月27日 外苑奉献80年記念特別展第一部「二世五姓田芳柳と近代絵画の系譜」開催
(明治神宮文化館宝物展示室)7月2日まで
10月21日 外苑創建80年記念「未公開資料に見る外苑の歩みと絵画館壁画の完成まで」開催
(絵画館中央大広間)12月3日まで

外苑創建80年記念
10月21日 外苑奉献80年記念特別展第二部「小堀鞆音と近代日本画の系譜」開催
(明治神宮文化館宝物展示室)12月3日まで

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